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睡眠負債とは
睡眠不足とも言います。
充分な睡眠が取れていないと、それが借金のように積み重なり体にいろいろな影響を与えます。
大きな睡眠負債はからだ・精神的な疲労になる可能性が高くなります。
2種類の睡眠負債に分類されます。
- 完全な睡眠負債
最低、24時間起きている場合に発生 - 一部の睡眠負債
数日〜数週間の睡眠制限している場合に発生
(動物実験含む)
詳細は科学的に議論されている分野ですが、睡眠負債はまだ障害と認定されていません。
睡眠負債はよく言われる「寝溜め」の効果はないと言われています。
毎日、良い睡眠をとるしかないのです。
マイクロスリープは危険
断食はSCAでもやりましたよね?
睡眠も「断食できる!」と思っている人がいます。
むしろ、「寝ずに仕事する」人はこれにカテゴライズされると思います。
睡眠に否定的な大学生(東京芸術大学生徒)が対象で、ひたすら寝ずに起きてもらう。
記録は100時間(4日間)。
4日目の幻覚は起きている状態で「脳が寝ていた」のが原因ではないかと言われています。
- 1日目
なんともない、むしろ気分良い!徹夜明けのハイテンション! - 2日目
体調に異変が起きる - 3日目
話していても、目を開けたまま寝る。周りからの刺激がないと寝てしまう - 4日目
幻覚が見えてしまう
脳が壊れてしまう可能性があるので中止。
寝不足になると起きていても10秒程
「脳が寝ている状態」
になることをマイクロスリープと言います。
言い方を変えると、脳が「起きていること」を危険と判断して、強制的に睡眠モードに入ることです.
睡眠不足の兆候と言っても良いでしょう。
「睡眠不足症候群」という病名が睡眠国際分類に出ています。
ここに診断基準も載っているので、確認してみてください!
- 睡眠欲求が強く、日中に眠り込んでしまうことが毎日ある。
- 思春期前の小児は眠気からの異常行動も入る
- 本人、親族の睡眠履歴、睡眠日誌が年齢相応の標準値より短くなっている
- 短い睡眠パターンが、少なくとも3ヶ月、ほとんど毎日認められる
- 目覚まし時計や他人に起こされる手段で睡眠時間を短くして、週末や休みなどのがないと長く眠る
- 総睡眠時間を伸ばすと、眠気の症状が解消する
- 他の未治療の睡眠障害、薬物または物質の影響、その他の疾患、神経疾患、精神疾患ではよく説明できない
毎日、睡眠負債を少しずつ貯めていくと、脳が酩酊状態(酔った状態)と同様の動きになることが実験でわかっています。
睡眠負債では前頭葉の働きは大きな影響が出てきます。
前頭葉は感情コントロール、意思決定、論理的に考える、注意力、空気を読むなど
日本の医師1,803人を対象の当直明け(夜勤)のパフォーマンス低下調査では、恐ろしい結果が出ています。(日本における睡眠負債の現状・問題点より)
- 医療ミスについて
相当ミスが多い(13.5%)
ややミスが増える(54.2%)
変わらない(15.4%)
わからない(7.0%)
未回答(9.9%) - 集中力・判断力低下
大幅に低下(36.8%)
やや低下(42.4%)
変わらない(5.9%)
わからない(4.8%)
未回答(10.1%)
2014年のカリフォルニア大学の研究では、睡眠時間6時間以下の人は風邪をひく確率が4倍以上高いとう結果が報告されています。
2005年コロンビア大学の発表では、
32~59歳の男女8,000人を対象調査で、平均7~9時間寝ている人に比べて
5時間の人は50%
4時間以下は73%
も肥満率が高かったそうです。
「グレリン」とういう食欲増幅ホルモンの分泌量が約15%も多く、
「レプチン」という食欲減少ホルモンが15%少ないことが明らかになりました。
糖質を脳が求めると最悪です。
ラーメン、スナック菓子などに手を出してしまうのが15%高くなるということですから、好きな人はブレーキかけられませんよね。
ダイエットしたければまず、しっかり寝る!
睡眠時間が短いと、
・交感神経が亢進
・副交感神経が減退
しているので血液の流れが悪くなります。
くま、しみ、汚れ、ハリ、ツヤがなくなる原因になるのです。
また、血管収縮により血圧も上がりやすくなるので注意が必要です。
睡眠障害はアルツハイマーの罹患率を増やすこともわかっています。
これは、脳の中にアミロイドベータというゴミが溜まり、寝ることで、流されて綺麗な状態になるのですが、睡眠が短いとしっかりと洗い流す事ができなく、残ってしまいます
日本の現状
OECD加盟国のうち、日本人の睡眠時間はワースト1位(2019調)
令和元年「国民健康・栄養調査」の結果から、1日の平均睡眠時間(1ヶ月)のアンケートで
- 6~7時間未満の割合が一番高い
(男:32.7%、女:36.2%) - 6時間未満
(男:37.5%、女:40.6%) - 5時間未満が10%前後いる
- 睡眠の質について
「日中、眠気を感じた」(20~50代)
睡眠時間が足りなかったと答えているのは若い世代に多い(20~30代)
よりに目が覚めるのは年齢が上がるにつれて多い(70歳以上) - 睡眠を妨害しているもの
男性
寝る前にゲーム、携帯に熱中する(20~30代)
仕事は20代50代も高いが圧倒的に差がある(30~40代)
特に困っていないは年齢層が高い(50~75以上)
女性
育児(30代)
家事では若干高い層があった(30~40代)
仕事は20代で高い、その次は40代、50代
寝る前にゲーム、携帯に熱中する(20~30代)
特に困っていない(40〜75以上)
ショート・ロングスリーパー
よく聞いた事があるかもしれませんが、自分が勘違いしているだけの可能性がありますのでしっかり確認していきましょう。
「5時間未満の睡眠でも、日中に眠気を感じず、心身に影響がない人のこと。」
有名人
スティーブ・ジョブズ(アップル)
明石家さんま(芸人)
尾田栄一郎(漫画家)
二木謙三(医師)
ナポレオン(革命家)
エジソン(発明家)
など
性格
外向性が高く、くよくよしないで失敗しても切り替えが早い楽観的な人が短い傾向に
(睡眠と科学,東邦大学名誉教授 鳥居鎮夫より)
9時間以上眠らないとからだがスッキリとしない人のこと。
有名人
アインシュタイン(学者)
イチロー(野球選手)
メッシ(サッカー選手)
クリスティアーノ・ロナウド(サッカー選手)
性格
内向的で、生真面目でいつも反省が多い人は長い傾向に。
(睡眠と科学,東邦大学名誉教授 鳥居鎮夫より)