6蔵を簡単解説!東洋医学基礎入門

ついに世界観の設定も終わりました。
次は各属性のお話になります。
ここがヒーラーに大事なスキルなのでしっかりやっていきましょう!

目次

肝(かん)

肝編サムネイル

※西洋医学の肝臓と違うので注意

肝の結論

血を溜める機能を持つ
脾の持ち上げる力を補助して、気・血・津液を流して全身に栄養を巡らせる
精神活動の調節と筋肉を維持する機能を持っている

将軍の官

五行論では「木」に属する
心・小腸→促進
脾・胃→抑制

西洋医学との関係
・自律神経、肝臓の部分機能、 血液循環調節機能 、視覚系の一部、月経調節機能と当てはまる

魂を持ち、筋肉の状態が「爪」に出る

肝の機能

①疏泄機能を管理する
疏→通じる
泄→散る、排泄
要するに
「体の全体に機能を通行させる」(線路をひく)
疏泄作用は「気の運動(気機)」にあわられる

3つの疏泄作用

1.精神状態を安定させる
(西洋医学だと大脳辺縁系・新皮質が当たる)
2.脾胃の運ぶ作用を助ける
(消化を助ける)
3.気血の流れを調節
(気滞になると季肋部・小腹に痛みが出る)

②血を溜める機能
血を溜めて、血の流れる量を調節する。
肝血は、陽気が過剰にならないように制御する

③筋を管理する
全身の筋肉・関節運動を管理する

④目と通じて、状態は爪に出る
肝の経脈は目につながり、目は肝経の気血によって栄養される!
つまり、目の変化によって
例えば
ウィルソン病の症状の1つに「カイザーフライシャー角膜輪」というのがある。
これは肝臓や胆嚢の働きが悪くなると、銅が蓄積されて目が青緑のような状態になる

ウィルソン病では,結果として肝および他の臓器に銅が蓄積する。肝症状または神経症状が出現する

MSDマニュアルより引用

爪で健康診断

爪は、肝の状態が出るので参考になる
爪で簡単判断!

  • 爪が割れやすい
    ・血行不良や血の不足
    ・栄養不足、爪の乾燥
  • 縦線が入ってる
    ・ストレス、過労(めっちゃ疲れてる)、加齢
  • 横線が目立つ
    ・栄養不足や睡眠不足からくる事が多い
    ・白線が2本入ると、ネフローゼ障害が出ている可能性がある
  • 爪が反りかってる
    ・鉄欠乏性貧血の可能性
  • 爪が紫
    ・怪我、冷え、血行不良
  • 爪が白い
    爪の下が白くなる→低血素性貧血
    爪自体が白くなる→肝硬変
  • 表面に白い斑点
    白い斑点が無数にある場合は、肝硬変・若年性糖尿病・慢性腎炎の疑い
  • 爪の半月
    腎精の影響が出るところ

心 編サムネイル
心の結論

全ての蔵府の機能を統括し、腎に熱を供給する代わりに腎から津液が送られ、覚醒睡眠のリズムを保ち、血を循環させる機能

君主の官の異名を持つ

五行論→火
脾胃→促進
肺・大腸→抑制

西洋医学で例えると
心臓における循環機能、大脳高次神経系、自律神経系に当たる

心の機能


①血脈を管理する
血の循環に作用して、血管を拍動する力を持つ(駆血)
宗気が助ける

②心は神志を管理する
神志(精神活動・思考)。メンタルを管理してる
神が宿るところと言われている

③汗は津液である
津液が汗に変化して、心の病変により発汗が見られる

④舌につながり、華は顔にある
5華は健康状態(色艶など)が現れるところです
顔や舌で健康状態がわかる。

東洋医学入門 脾編
結論

食べた物を消化・吸収して気と水穀の精微を作り、肺から全身に送りる。血流をなめらかにして筋を作り、維持する機能を持つ。

五行論→土属性
肺・大腸→促進
腎・膀胱→抑制
脾は1つの季節を管理することなく中央を治めている

創廩(そうりん )の官

運化、昇精、統血作用

5味が起こるところ。

胃・大腸・小腸・三焦・膀胱→創廩の本(倉庫の根本)
営気を生じる場所

食べ物が胃に入ると水穀の精微を肝に送り、
そこで溢れた精・気が筋を滋養し、
水穀の気が心にそそぎ、
精微が血脈を滋養しする。
津液が胃に入ると水穀の精微を脾に送る

脾の機能

  1. 運化を管理する(運ぶ力)
    転化と運輸を意味する
    転化→胃との共同作業で水穀の精微を消化吸収する
    運輸→消化吸収した水穀の精微を肺に運ぶ
  2. 昇精を管理し、胃は降濁を管理する
    栄養物を肺に送り心の力を借りて全身に届ける
    内臓下垂を防止
    胃は消化物を小腸に降ろす
  3. 統血を管理する
    運化が順調だと気・血・津液が充分に生成され、
    気の固摂作用により血が脈管から漏れないように制御する
  4. 筋肉・四肢を管理し、口とつながり、その状態は唇にある
    気血が全身を栄養して、筋肉と四肢が強くなる
    口は味と関係して、運化作用が健全かどうかの判断の指標となる
    ぜんは、脾の液で口腔内を潤して粘膜を保護する
  5. 後天の本
    「本」とは生命力の本と身体形成の本を指す。
    腎精だけでは不足、栄養物質を産生・供給する後天の本が大事になる

東洋医学入門 肺編
結論

呼吸により清気を取り込み、真気を全身に散布させる。真気などから血を作り、防御作用の機能を持つ

相傅の官

5行論→金
腎・膀胱→促進
肝・胆→抑制

5蔵の中で一番上にある!
肺は衛気との関係が深く、肺陰は肺を滋養し栄養を与える「陰液」のことを言います。

相傅とは治節が起こるところとしている!

肺の機能

  1. 気を管理する
    呼吸と体内の気の入れ替えを管理している。
    自然界の清気を取り入れ、体内の汚い気(濁気)を体外に出す(昇降出入)
  2. 散布と下降を管理する
    全身に散布して、汗を発散する
    真気、津液を下に下げる
    降ろされた精気は脈管に入り、一部は腎で納気される
  3. 皮毛を管理する
    皮毛は、「皮膚・汗腺・産毛」のことを指す
    肺の作用で衛気・津液を送り、外邪の侵入を防ぐ。
    体内では、蔵府組織を温め、津液は皮膚を潤す
  4. 水道を調節
    水の運行と排泄を意味する。汗を膀胱に集める。
    気によって津液が代謝・循環される
  5. 鼻につながり、華は毛にある
    肺が正常であれば呼吸も正常で、鼻の機能も正常。
    鼻水は鼻腔を潤す肺液の一部で、肺は発声にも関係がある。

東洋医学入門 腎&心包編

成長、発育、生殖を管理。水を温め、全身の水分代謝を調節し、呼吸機能を助け、精神機能を保持する機能をもつ。

作強の官

五行論→水属性
肝・胆→促進
心・小腸→抑制

・水の代謝に大きく関係している。
・生命エネルギーの基礎となる精の貯蔵に深く関与する
精について参照

生理機能

  1. 精を蔵す(腎精)
    成長、発育を管理して、生殖と関係が深い。
    血を管理して肝を助け、月経・妊娠・分娩などにも関与する
    先天の精→生まれ持った生命力(寿命)
    ・腎陰→人体の陰液の源
    ・腎陽→人体の陽気の源

  2. 水を管理する
    腎陽の働きで津液と代謝に関係する。
    昇作用で水分を再吸収、降作用で不要な水分を排泄(主水)
    肺の働きがしっかりしていないと腎の働きが悪くなる(肺は補助的役割)

  3. 納気を管理する
    肺の呼吸で作られた清気は腎に納められる。(納気という)
    腎の納気があることにより、深い呼吸ができる

五行式体表

骨を管理し、髄を生じて脳を充す
髄を生成する。この髄は骨を養う作用がある
脳は髄質の最も豊富なところで「髄海」と呼ばれる

腎は耳に通じて、二陰を管理する
耳に通じているので、腎と聴覚は密接な関係がある。腎が安定すると、耳は五音が聞き分けることができる
二陰
前陰→生殖器、排尿機能
後陰→排便機能
腎の機能低下は水を停滞させる病気の原因になると言われている

腎の華は髪にある
髪は「血余」といわれ、腎気が大きいと艶があり、黒く潤っている状態

腎は先天の本
腎が生まれながらに持つ「腎精」は両親から受け継ぐもの。
先天の気と腎は成長・発育に必要不可欠なものということで、「先天の本」と表現される

命門(黄帝内経霊枢5-2 根結篇)

命門が腎に関係するのは「難経」から始まっている。
右腎→命門
左腎→腎(先天の気を貯める)

命門の火
腎陰の中に「命門の水」が入り、腎陽の「命門の火」が温める
命門の火があるから体が暖かくなるという考え方。
→腰が冷えると体が冷える

心と腎の関係

心と腎はお互いに干渉しあっている。
心陽→腎陽 温め
腎陰→心陰 潤している
専用道路で「心火を抑制」、「温め、不要物を蒸化する」をおこなっている
→心腎相交〔≠心腎不交〕

現代医学では、敗血症のような病気を心腎連関症候群と呼ばれています。
例えば、心不全で腎機能が悪くなると、心不全の治療がうまくいかないなど

ちなみに
仮面ライダービルドにでてくる
グリスの決め台詞は「心火を燃やして……..ぶっ潰す」でした

肝と腎の関係

肝→蔵血を管理
腎→腎精を管理
お互いに補完しあっているこれを「肝腎同源」という

精血同源とも言える

肝腎なこと→とりわけ大切なことを指す

西洋医学では、肝腎症候群(HRS)というものがあります。
進行した肝疾患を持つ人々の腎機能に影響を与える命の危険な状態。

心包

形はない蔵。

6蔵6府の場合に登場する
心を包んで保護している。
巨使の官と言われ、喜びや楽しさが起こるところ。

黄帝内経素問 刺法論篇 では心包を「膻中」と表現している

ここでは深掘りはしないので別の機会に!

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